馬の血統・品種:配合の基本とは

競馬はブラッドスポーツとも呼ばれ、血統がレースに大きな影響を与えます。競走馬を配合することをインブリードといい、基本は種牡馬の特徴が受け継がれます。インブリードに使われる品種にはサラブレッドやアングロクラブなどがあり、これまでの競馬界で強い存在感を放ってきた馬が多くいます。

サラブレッド系は長い歴史の中で改良を繰り返され強くなりました。現在のサラブレッドは源流を辿れば、ダーレーアラビアンかゴドルフィンアラビアン、バイアリータークのいずれかに該当します。ダーレーアラビアンはエクリプス系で、5代目のエクリプスが大活躍したことでこの系統の強さが注目されました。20世紀半ばには生涯無敗だったネアルコが引退後に配合を次々と成功させたことで、現在の90%以上が父方にエクリプス系を持ちます。

ゴドルフィンアラビアンはマッチェム系で、エクリプスの母の父にあたります。エクリプス系の発展に欠かせない存在であり、父系は途絶えてしまいましたが母系に入っていても影響を与えやすいです。バイアリーターク系は5代目のヘロドが優秀な成績を残しましたが、後継が育たず絶滅の恐れまであります。かつてはこの系統が日本で大活躍したこともあり、復活が望まれています。有名な血統には他にもノーザンダンサー系やサンデーサイレンス系があります。ノーザンダンサー系は雨や雪などの悪天候に強く、短距離から中距離レースを得意とします。海外ではノーザンダンサー系を受け継いだアクラメーションの血統に人気が集まっています。

サンデーサイレンス系は1995年~2007年に日本を代表するほどの強さがあり、ディープインパクトでも有名です。気性の荒さが指摘されますが、それが勝負強さにもつながっています。それぞれの血統には特徴があり、特定の性質が強く出るように血が濃くなる近親交配を行います。インブリード効果が強く現れたのがラムタラで、ノーザンダンサー系の血量は31.25%です。ラムタラは、スキップレースを使わず無敗で英ダービー・キングジョージ・凱旋門賞の3冠を達成したことで「神の馬」と称されます。

インブリードによる血量がその戦績に深く関わっているといえます。しかし血が濃くなりすぎると虚弱になりやすく、極端に濃くすることはできません。そこで血量が18.75%が奇跡の血量であるという理論を構築し、強さを受け継ぎながら健康な馬を誕生させようと努力しています。オルフェーヴルやヴィクトワールピサなどがこれに該当します。