馬の品種で一般的に思い出されるのは、競走馬にもなるサラブレッドかもしれません。しかし実際にはさまざまな馬の品種があって、たとえば世界中で北海道の帯広のみで開催されているばんえい競走用には、ペルシュロン・ブルトン・ベルジャンなどがあります。これら3種の純血種の混血である半血、それ以外の種との混血である日本輓系種などもばんえい競走用にはあります。
以前は日本でも開催されていたものの、現在では欧米などで見られる騎手が一人乗りの馬車に乗って競走する繋駕競走では、スタンダードブレッドがメインです。繋駕競走用のスタンダードブレッドはサラブレッドよりも脚が短く胴が長く、気性は穏やかになっています。日本で開催されている現在の競馬は、ほぼサラブレッドです。かつては中央競馬でもアラブ種などが競走馬登録され、専用の競馬場も地方にはありました。
しかし現在ではほぼサラブレッドで競馬は開催されており、他の種類は使われていません。ただし海外では、かつてはアラブ種の他にアングロアラブ・クォーターホース・ポニーなど種類が平地競走用として使われ、大レースも開催されています。ちなみに競馬の障害競走用として日本で使われているのはサラブレッドですが、馬術競技ではセルフランセという種類が使われています。現在の競走馬で主流となっているサラブレッドの歴史は、18世紀のイギリスまでさかのぼり品種改良して作られました。少しでも早い競走馬を作るため血統を改良し、常に早い馬作りを追求してきたのです。
ちなみにサラブレッドには1791年から厳格な血統登録が行われており、1頭1頭に血統書がついています。基本的にサラブレッドと認められるのは、両親がサラブレッドの場合のみです。しかしサラ系などに8代連続でサラブレッドをかけ合わせれば、審査をした後血統登録されることはあります。現在の競馬場で走っている全ての競走馬は、直系父系を遡ると必ず3頭の馬にたどり着くとされ、ダーレーアラビアラビアン・バイアリーターク・ゴドルフィンアラビアンの3頭は、三大始祖と呼ばれています。
2017年の菊花賞馬でもあるキセキ (競走馬)を例にすると、始祖となっているのはダーレーアラビアンです。キセキ (競走馬)以外にもダーレーアラビアンをしそに持つ競走馬は多く、世界の血統の大部分を締めていると言われているほどです。また平地競走用と障害競走用以外の馬の改良にも使われ、大きな影響を与えています。