馬のトレーニング

競馬のレースに出馬する馬は専用の施設でトレーニングを受けています。国内にある競馬のためのトレーニング施設として有名なのが、美浦トレーニングセンターです。施設には馬を調教するための数多くの施設があります。この施設は日本国内でも最大規模の面積を持ち、合計で2300程度の馬を収容できるスペースがあります。

施設内では馬の調教に利用できるトラックが複数設置されていて、厩舎は北地区と南地区の二つのブロックに分かれています。騎手を乗せてトラックを走ることで、実際のレースを想定しながら馬の力を鍛えることができ、特別な種類のレースに出場する馬のための練習施設も設置されています。2000メートル以上の長さがあるウッドチップのコースもあり、距離の長いレースを想定した練習もできる施設です。障害レース用の練習コースも施設内にはあり、障害物を乗り越えるために必要な馬の基礎能力を鍛えることができます。平坦な道以外でも練習ができる施設があり、坂路でおこなわれるレースの練習ができるコースもあります。

坂道を上りながら走ることは、平地を走るのとは異なった技術が必要であるために、坂道の練習コースも有効に活用されています。施設内には馬のためのスイミングプールもあり、プールを使用した各種の訓練もできます。足を弱めている馬などもプールを使用して練習ができ、プールの中で移動することで、足に負担をかけずに歩く練習ができます。水中歩行をするための訓練装置もあり、平地を走るのとは異なった訓練が可能です。

馬もトレーニングばかりしていると疲労がたまりますが、馬の疲労を回復させるための設備も施設内にはあります。それが馬用の散歩道で、練習で疲労した馬をゆっくりと散歩させることで、馬の筋肉をクールダウンできる効果があります。練習の後の散歩は精神的な緊張をほぐす効果もあり、馬に疲れがたまらないようにしっかりとケアできます。施設内には馬のための診療施設もあるために、調教で怪我をした馬もしっかりと治療ができます。施設は茨城県にありますが、東日本の競馬の拠点として、多くの馬が調教を受けています。

同じような施設は西日本にもあり、滋賀県の栗東トレーニングセンターが、西日本の競馬調教の拠点です。美浦で調教を受けている馬が、西日本で開催されるレースに出馬するために栗東に預けられることもあり、競走馬のさらなる育成に役立てられています。実際に栗東に預けられた馬が関西のレースで良い成績をおさめたこともあるので、効果のある訓練の方法として非常に有名です。