オリンピックの馬術競技:障害馬術

オリンピックには、馬術競技と呼ばれるものが存在します。障害馬術もその1つになっていて、東京オリンピックにも採用されている列記とした競技です。今回は、この馬術競技や障害馬術の概要を詳しく紹介していきます。

元々、馬術は競馬のように競走をして他と比較するものではありません。乗り手と馬がコミュニケーションをとっていくことによって、どれだけの信頼性と技術を有しているのかを客観的に判断していくものです。呼吸を合わせないと良い結果を出すことができないという点では、人間がペアを組んで成績を残していく過程とほとんど変わりません。ただ、人間の競技と大きく異なるのが男女で戦う場が分かれていないという点です。男女ともにそれぞれがコミュニケーションをとった愛馬と同じステージで戦うことになりますので、公平な観点から勝負をします。

一般的に、オリンピックで採用されている馬術競技には3種のものが準備されています。コース上に存在している障害物を、技術を用いて飛び越えるものです。これを、障害馬術と言います。障害馬術は、飛び越えるときの成功具合や走行時間を競うことになりますので、乗り手と馬の意思を上手く疎通させないといけません。また、障害馬術だけではなく単純に縁起の正確さや美しさといった外見上の演出を非常に重要視する競技も存在します。これが、馬場馬術と呼ばれるものです。馬場馬術は、人間で述べるところのシンクロやフィギュアスケートに似ています。見た目の良さを重要視するのはもちろんですが、人馬共に正確さが問われることになりますので、走行時間などを気にするものではありません。素早く演技をしたとしても、そこに美しさがないと失敗になりますので違った魅力があります。そして、これらの競技にクロスカントリー走行を加味したものが総合馬術と呼ばれるものです。オリンピックでも、これら各々の競技を参考に点数が加算されていくことになります。

オリンピックに取り入れられたのは100年以上も前のことであるため、歴史上でも最も古いものの1つになっています。元々、人馬で協議を行うことは海外では尊いものであり、貴族の嗜みであるという観点もありました。実際に、馬術は他の競技と異なって規定で燕尾服や乗馬服を着用しなくてはいけません。シルクハットなどの帽子も着用して、見た目にもエレガントな雰囲気を持っている必要があります。見た目の華やかさもあって、現在に至るまで高い人気を誇る競技に成長しています。