馬の種類と言うと様々なものがあり、競馬などで活躍しているサラブレッドのほか日本では道産子などが有名ですが、木曽馬は日本の本州の在来種として唯一のものであり、非常に貴重な存在となっているのが特徴です。
その名前の通り長野県木曽地域を中心に飼育されている馬となっており、言い伝えによると紀元前1世紀の間の時代に朝鮮半島を経由して現在の日本に渡ってきたものとされています。これが現在の長野県の木曽地域と言う比較的原産国の気候に近い地域で飼育され、木曽馬になったと言う説が有力です。
発祥は中国やモンゴルの地域となっていることから、大草原を走り抜く非常に強靭な体力を持っており、足腰が強いことから様々な用途に利用されることも多いのがポイントです。通常の競走馬の場合には高速で走る事は得意であるものの、横からの衝撃や様々な怪我には非常に弱く、その寿命が一般的に短いと言う性質がありますがこれとは異なり強靭な足腰を持っていることから古くから様々な用途に利用されてきました。加えて山岳地域で育っていることから特徴的な足の形をしており、これにより横方向の力にも強く重いものを引っ張るといった作業にも向いていると考えられています。
性格は比較的穏やかな馬が多く、そのため純粋の決闘では競争には向かないと言う性質が非常に強いのが特徴です。また体系的にも中型でありサラブレッド等に比べると足も遅いことから競走馬には向いていません。
実際に古来から伝わる純粋の血統の品種は絶滅したとも考えられており、現在の木曽馬は正当な純血種ではなく限りなくその血統に近いものとなっています。現在では保存会が設立されその血統を守るための様々な活動が続けられており、非常に珍しい品種として大切に飼育されているのが特徴です。
有名な話では鎌倉時代後期、鎌倉幕府を滅亡させた新田義貞が用いた馬が木曽馬であったことがその後の研究からわかっており、当時は非常に優秀な軍馬として重用されたことがわかっています。比較的体格が小さかったことから小さな日本人向けの馬であったことや、非常に足腰が強靭で様々な動きに順応できたことも軍馬として利用された理由と考えられており、古くから非常に有効な存在となっていました。現在では天然記念物に指定されていることから日常的に使用する事は非常に少なくなっていますが、実際には様々な面で高い能力を誇る存在として認められており、日本の歴史の中でも特別な存在となっているのが特徴です。